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考えさせられてしまった2冊の本

最近読んだ2冊の本で、
「子どもたちの個性化」という共通のキーワードに引っかかって、
衝撃を受けてしまいました。

一冊は、『街場の教育論』(内田樹)、
もう一冊は、『本当の日本語力もってますか」(宮川俊彦)という本です。

それぞれの本の内容について、わかりやすく説明したかったのですが・・・
隣でお絵かき・工作をしながら、
1分おきくらいに「ねえ、これはどうやってやるの?」「ねえ、見て!」と話しかけてくる娘の相手をしながら文章を構成するには、
本の内容が私にとって高度すぎて、わかりにくいかもしれないんですけど、ごめんなさい。


つまり、
いまの教育には、いろいろな人がいるという原点(個性)を確認したきりで、そこからの教育がない。
(それは私もわかってる)
その「人それぞれでいい」「自分らしく生きればいい」というのは、文部科学省や、国家のキャンペーンである。

なぜなら、「自分らしく生きる」というのは、核家族化、消費の個別化に結びつくグローバル資本主義的行動で、消費拡大のために必要なキャンペーンだから。

外部と隔絶されているべき学校が今、外部との温度差をなくし、あますところなく「市場」に埋め尽くされ、
「集団を作るな。他人にうかつに共感するな。個別化せよ。自分のタグをつけろ。自分の取るべき報酬を他人と分かち合うな。」という人事ルールが、幼い子にまで浴びせかけられている。

というのです。(伝わったかな?)

そういった、人と共同しない、集団化しない子どもの「モジュール化(砂粒化)」が、「個性化」と言われていることの危険性を、これら2冊の本から感じました。


のみならず、私自身も、この「グローバル資本主義」にからめ取られ、
モジュール化しているんじゃないか?って思ったこと、
それがもっと衝撃でした。

夫・自分の両親と同居せず、独立を好み、
自分の行動(消費行動も含む)にケチをつけられない生き方がしたいって思ってしまう私。

また、今の若い人たちが、会社を簡単に辞める理由として、
「もっとやりがいのある仕事をしたい」と言うときの「やりがい」の中身をよく聞いてみるとそれは、
「自分が一人の力で成し遂げた仕事に対しては、自分だけがその報酬を占有できるような仕事(例えば、歩合制の営業マン、クリエーター、ミュージシャン、作家など)がしたい」つまり、「モジュール化」した仕事がしたいってことなのだそう。
ビジネスの99%は集団作業なのに。

中学でバスケット部だった私が、高校に入ったとき、
集団競技じゃなくって、個人競技がいいって思ってテニス部に入ったのも、
そういう理由だったかもってことを思い出しました。


だから、偶然最近読んだこの2冊の本から放たれる、
「他者とコラボレートする能力の涵養」という共通メッセージは、
私にとってとてもショッキングで、考えさせられてしまいました。


興味のある人は読んでみて下さいね。
by natsuquita | 2009-03-28 07:42 | 教育観・子ども観
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